セントラル アイ クリニック、いい病院ですよ

僕は路線仕様の大型バスに乗務しています。親父が市バス運転手でして、幼い頃からバス運転手を夢見ていた僕の進路は自然とバス運転手1本。正確にはチョット寄 り道もしたけど25歳の時、晴れてバス運転手になりました。運行区間は毎日平凡なも のの、他社バス運転手との出会いや客との様々な事件?など、毎日が充実していまし た。

そんな僕に忘れられない出来事が起きたのです。当時はソフトコンタクトを使用していたのですが、目が極度に乾くため、1日使い捨てを昼に新品と交換していました。つ まり片目につき1日2枚使っていたのです。金額は倍ですが、そうでもしないと目がも たなかったのです。とはいえ、夜の運転ともなると一層慎重になるため、まばたきの回数が極端 に減り コンタクトの乾きも極限でした。さらに真夏だったのでクーラー全開 !。
も し鬼太郎のオヤジみたいに目が喋れるとしたら『おいっ、今からワシはストラ イキじゃ!』とでも言ったことでしょう。それでも20時台の超満員最終便を運行し、終着駅まで無事にたどり着くことができました。ホッとすると同時に、ま ばたきするのも辛い程目が痛いのに気付いたのです。でも『ここからは回送だし、入庫したら終わりだで』と右目を指で押さえた途端、乾ききったコンタクトが 浮き上がってしまい眼球に密着しなくなってしまったのです。
スペアもないし仕方ない、このまま行こうとバスターミナルから公道に出ようと一旦停止しました。車の往来はなく充分発進できたものの、横断歩道にベビー カーを押した人がいたので先に行かせてあげようと思い、そのまま停車したのです。一礼して渡り始めた若いお母さん、バスの直前でなぜか立ち止まったのです よ。 おいおい、早く行けよと思いながら ふと車両前方を映すアンダーミラー(丸 い > ミラー)を左目だけで見て体の血がひいた。3歳くらいの男の子が立っている・・・・。
正直、 まったく存在に気付いていませんでした。男の子がいた位置は進行方向右側のヘッドラ イト前。もし、このお母さんより先にバスを発進させていたら・・・。
僕には、もうすぐ3歳になる男の子がいます。この子がケガするだけでも心配 になるのに交通事故死したら気が狂うでしょうね。この日、帰宅した僕は妻に目の手術 がしたいと申し出ました。すると『治していいよ。お金は用意できるから』。聞けば独身時代に貯めたものを出してくれると言う。あり難かったです。僕にはもったいない妻ですよ。
この話を親父とお袋にしたら、なんと2人からも治療費をいただいてしまったのです。 幸せ者ですよね、僕って。こうして渥美先生のお世話になった訳です。
でもセントラル アイ クリニック、いい病院ですよ。機具も凄いけど、看護婦さんなどスタッフの方々の気遣いや説明、治療すべてが丁寧で分かり易かったですよ。
大変お世話になりました。有難うございました!。 
手術翌日の検診で裸眼1.6を記録した僕は下りエレベータに乗ったが、なぜかテルミナ2Fの市バスターミナルで降りてしまった。そこで偶然見かけた基幹バス、 なんと運転手は僕がバス運転手になるキッカケとなった親父でした。もうすぐ市バスの採用試験。 採用条件・裸眼0.1以上!。最強の武器を手に入れた気分です。とはいえ、 バス運転に油断は禁物です。
お世話になった方々へのお礼、それは今日も安全にバスを運行することと肝に命じています。

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